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式日-SHIKI-JITSU-のstのレビュー・感想・評価

式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)
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シンエヴァの(おそらく)最後の予告編が出たのでこちらも早く観ねばと思い鑑賞。

本作は崩れた家庭環境のもと、統合失調症的な精神状態にある女性が精神的な独り立ちを獲得していくという話であり、その本筋は「大人」や「社会」を拒絶する少年の成長を描く"エヴァ"とも通じる点が多く、カントク/碇シンジに庵野秀明自身を投影している点においても共通する。

ストーリーとしては「内側・混乱」→「外側・安定」へと展開する王道進行であるが、本作で最も目を見張るのは変態的に作り込まれた「画作り」であり、極めて個人的な嗜好性の観点から、"圧倒的に好き"である。

寺山修司やロブ・グリエを感じるような美術設計に庵野秀明独特のカメラワークを取り込むことで形成される異世界感。白・赤・青による色彩と鉄道・ビル・工場の造形が混ざり合う美しき世界は、まるで好きなものだけで作られたジオラマを様々な角度から覗いているかのよう。

一体彼のセンスに底はあるのだろうか。。シンエヴァも間違いなく傑作になろうかと思うので楽しみでやみません。
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