こぅ

その土曜日、7時58分のこぅのレビュー・感想・評価

その土曜日、7時58分(2007年製作の映画)
4.4
'20 130本目記念✨

タイトルのみチェック済み、フォロワーさんオススメ
という事と、シドニー監督の【遺作】だと再認識して
のチョイス〜。
今回のキッカケが無ければ、一生スルーしていたかも
知れない、勿体無い事をしていたかも知れない。
これが人生に於いての1つの出会い。

社会派骨太傑作をいくつもを繰り出してきたシドニー・
ルメット監督による、【ヒューマン・サスペンス】。

ある意味【衝撃⁈】の幕開け、、。

観ていくうちに徐々に簡潔に露わになる、家族構成、
展開に釘付け。

脚本は、事件を軸に戻ったり(回想式)というのは
珍しく無いが、その後を織り交ぜる(飛ぶ)という
構成は中々〜。
時間軸、それぞれの スポット を変え複雑なのだが、
全体像として繋げて観ると何ら混乱しない纏め方は
秀逸。

只でさえ面白い展開(実話でもおかしくない)に、
気になるところで【お預け】喰らうので、観る者に
興味を持たせる、没入させるのが狙いか⁈

複数回想式って、脚本構成(切るタイミング)が難しく
、繋がるシークエンスまで戻るのに、ダラダラ長いと
集中力欠如、飽きてしまうが、本作はその間が【絶妙】
でグイグイ引き込まれ、前のめりに。

兄アンディ役、名優フィリップはバツグンの巧さ、
気弱な弟ハンク役、イーサン(可愛い)も巧い。
そして、父チャールズ役アルバート・フィニーの
抑えた演技は熟練。
アンディの妻ジーナ役、マリサ・トメイ(43)は
【添え物程度】を想像していたら身体張っての熱演で、
それも見どころで加点。

撮影は、極力 カット割らず、奥行きを意識した構図や、
長回し、時にトラッキングショットも飛び出す。

【不安を煽る劇伴】は、一曲のみを使い回し、トータル
性を狙ったかのようにシンプルイズベスト!

終盤は容赦ない【負の連鎖】で緊迫した。
ヘタなホラー以上にゾワゾワ〜。

衝撃ラストは、、
敢えて一部始終観せず、少し想像に任せても良かった
かな⁈、、と個人的に。
それにしてもやはり人間が一番怖いな。

本作に 緩急 は有ったか⁈ってくらい終始緊迫して
いた、、
ヘヴィな余韻狙って 衝撃 からそのままEDロールへ、、


*限り無くリアルなんだけど、実際リアルじゃない、
(破綻して無い)その絶妙な【さじ加減】が映画
(エンタメ)として成立し素晴らしい。
こぅ

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