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悪を呼ぶ少年のHKのレビュー・感想・評価

悪を呼ぶ少年(1972年製作の映画)
3.5
かなり昔に原作小説を読み、これは絶対に映像化不可能だと思っていたら、映画化されていたと知ってビックリした作品です。
どう考えても映像向きとは思えなかったんですが、脚本も原作者本人と聞いて気になっていました。
今まで観る機会が無かったんですがDVDが安くなってたので買ってしまいました。

なるほど~こういう撮り方をしていたのか~、う~ん・・・
正直言って、小説を読んだ時のショックには及びませんが、読んでない人にはまあアリかな~という感じ。

ストーリーは、アメリカのある田舎で8歳くらい(?)の双子の兄弟の周囲で次々と謎の惨事が起こるというもの・・・
兄のホランドは悪戯好きで動物を虐待したりもしますが、弟のナイルズはそれを止めたりする大人しい性格。これ以上はネタバレになるので言えません。
原題は原作と同じ“The Other”。

原作者のトマス・トライオンという人、実は俳優でもある変わり種。
『ウィンチェスター‘73』『栄光の野郎ども』『史上最大の作戦』などに出演しておりなかなかのイケメン。
そして小説としての代表作は本作や『悪魔の収穫祭』が有名。
これらはスティーブン・キングが自身のデビュー前からモダン・ホラーの傑作として認めている名作。

監督は『アラバマ物語』や『おもいでの夏』のロバート・マリガンで、映像はキレイなんですが演出がちょっと大人しすぎて思ったほどインパクトは感じられませんでした。
時代も時代ですがグロ描写はほとんどなし。
音楽はジェリー・ゴールドスミスでこれまたキレイな曲でしたが印象に残りません。

ところでもう1作の『悪魔の収穫祭』(原題:Harvest)のストーリーは実は昨年のヒット作『ミッドサマー』とソックリ。
あきらかにアリ・アスターが影響を受けているとわかる内容で、まさに原作小説と同じようなシーンがたくさん出てきます。
ただし、私は『悪魔の~』は人間が恐ろしいホラー小説の傑作だと思いますが、『ミッドサマー』の方は不快さの方が勝って好きになれませんでした。
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