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回路のstのレビュー・感想・評価

回路(2000年製作の映画)
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黒沢清は「(画面の隅に映る)閉まっているドアの向こうにまで世界が広がっている」と観客に思わせしめるような映画が理想であるという旨のことを著作で書いていたけれど、まさに終盤海沿いの車越しの長回しのシーン、奥からにじり寄ってくる一隻の船が異様に気になって固唾を飲みながら観てしまっていた。表現の細部は2001年という時代性(と想像される予算規模)を見るとたしかにその程度なのだけど、「得体の知れない何か」と対峙する物語を黒沢清に描かせたらピカイチなのだなとめちゃくちゃ感じた。
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