「アンタッチャブル」(1987)の元ネタとなったフィルム・ノワール。映画。監督は「拳銃魔」(1949)「ビッグ・コンボ」(1955)のジョセフ・H・ルイス。
財務省秘密調査員のフランク(グレン・フォード)たちは、暗黒街の超大物マフィアを脱税で捕らえようと捜査を続けていた。しかし関係する会計士などが次々と殺され、ついに危険が妻の身にまで及ぶ。。。
アル・カポネ(映画での名はビッグ・フェロー)の脱税の証拠を捜査する話で、大枠のプロットや姿を見せない巨悪の恐怖支配の描き方は「アンタッチャブル」と同様。
ただ、前半は地道な帳簿と会計を巡る地味な捜査で物語も進まず少々退屈。その”貯め”のお陰もあり、中盤以降は面白く観ることが出来た。
捜査対象だったイタリア出身の男ロッコの子供を巻き込んだ街頭での逃走シーンと引退を決めた主人公の元にロッコの母親が訪ねてくるシーンは、社会正義についての考察が含まれていて、本作をジャンル映画から一歩踏み込んだ重厚感をもたらしていた。