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シリアル・ママのSSDDのレビュー・感想・評価

シリアル・ママ(1994年製作の映画)
4.0
◼︎概要
どこにでもいそうな家族…夫は歯医者、息子はレンタルビデオ店で働きホラーマニア、娘は彼氏を欲しがり、妻は専業主婦のシリアルキラー…。
ルールに従わない者、気に食わない者には容赦はしない。

◼︎感想(ネタバレなし)
社会風刺的なブラックコメディ。
荒唐無稽ながら、アメリカの報道や大量殺人者に対するヒーロー視する風潮、法廷制度、死刑制度にまで風刺を効かした作品。

どこにでもいそうなハスキー声の専業主婦が気に食わない人間に嫌がらせなどをしていたが、ある日から突然殺人を犯すという突拍子もない始まりから、転がるように進む展開が飽きさせない。

殺し方も多様で様々な凶器、シチュエーションでキルカウントを稼いでいくので楽しめる。

過去見た時は記憶はもっと阿保な映画で、ザクザク殺して回るだけの映画だと思ったのだが、意外と構成があって驚いたし、ママがもっと明るい人だと思ったらかなりハスキーでガタイも良く強面で驚いた。
記憶の薄れた映画をまた見直すのもいいですね。

個人的にライブシーンの女性パンクバンドが好きでした。L7というロスのバンドのようです。
いまだに活動してるようで楽曲聴いてみるか。











◼︎感想(ネタバレあり)
・殺意の対象
ルールにそぐわない奴を殺すというわけでもなく、不愉快な相手を屠るという殺人鬼。
いつからか、シリアルキラーを調べ文通やら行っていたということと元々サイコパスだったのが覚醒しただけというあまり深い理由はない。
更年期か?と夫が聞いていたが更年期で殺人鬼になられたら割とたまったもんじゃないんだが、納得するのか。
過去のシリアルキラーを英雄視したり、ファンがいたりするアメリカの謎の風潮に触れていたり、法廷での茶番もデッド・バンディが実際に行ったものを揶揄している。
もはや最後は"白い靴秋で履いてた"とか、写りの悪い方に誘導されたというだけで殺害対象化するという傍若無人ぷりは流石はコメディのオチである。


・キルカウント
1.乗用車で轢く:息子を侮辱した
2.火かき棒で刺殺:娘をたぶらかした
3.裁断鋏で刺殺:バードウォッチングを邪魔した
4.エアコン落下させ圧殺:鶏肉食った
5.ラム肉で撲殺:レンタルビデオを巻き戻さなかった
6.スプレーとライターで焼殺:殺人を目撃された
7.受話器で撲殺:秋に白い靴を履いてた

昔の記憶だと、ハロウィンのシェイプばりに包丁でザクザク刺してたと思っていたのですが実際には包丁で刺すと見せかけて、ラムチョップで撲殺でした。
その後も包丁持って走るものの、舞台のロープ切るのに使ってたし直接使わないポリシーが素敵。

・総評
思ってたより飛び抜けた馬鹿映画というより一歩手前くらいのトーンに思い出補正が付いていたなぁという感覚。今リブートしたら色々と変わりそうだが、少しして欲しかったりする。
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