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嵐が丘のdeenityのレビュー・感想・評価

嵐が丘(1992年製作の映画)
2.5
エミリー・ブロンテが描いた世界三大悲劇と言われるような作品ですね。職場の方が勧めてくれて、昔はこういうところに留学していたと聞いたので見てみましたが、こんなところに暮らせたら気持ちがいいでしょうね。見渡す限りの絶景です。その人が見たのはトム・ハーディの方を見たようですが、レンタルショップにはこれしかなかったのでこちらにしておきました。

とりあえずまあストーリーは悲劇ですね。悲劇は悲劇なんですが、ヒースクリフのこの恋の復讐劇は実に女性的ですね。でもその女性的とも言えるほどの根深い恨みを抱くような男性には見えなかったですね。レイフ・ファィンズってどこかで見たことあると思ったらヴォルデモートの人ですか。そりゃちょっと合わないでしょう。だってヒースクリフの愛ってものをまず描けていないから。
本当にキャシーを愛していたのならそのシーンを描いてこそそれが破綻した時に復讐心が引き立つわけだし、あの狂気じみた思いに繋がってくると思います。

原作がどうかはわかりませんが、これは演出的な部分の欠落に思えます。単なる悲劇だけではそこまで名作にはなり得ませんし、多くの人がそこに感情移入できる要素がなければ語り継がれないでしょう。この原作を楽しむなら、映画としては本作をチョイスすべきではないかもしれません。
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