真世紀

極道の妻(おんな)たち 危険な賭けの真世紀のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

巨大組織松阪組の三代目が亡くなり、もうすぐ三回忌。その前に四代目を決めるよう、幹部らを前に語る霊代として代理を務めてきた南田洋子。

四代目候補は舎弟頭の北村和夫と若頭の原田大二郎。幹部の入れ札で決める事になるも、借金も抱えていたりと分の悪い北村。

最後に頼ったのは北陸の女帝こと夫亡き後、組を継承、事業にも成功、豊富な資金力を持つ岩下志麻姐さん。快諾した岩下はぽんと十億単位の金を小切手切って、北村をかつぐことになる。

岩下志麻とつきあいの長い石橋凌の組。妻のかたせ梨乃も岩下を実の姉のように慕っている。弟の原田龍二が出所、岩下のもとにあいさつに出向くと原田龍二、岩下の娘の工藤静香に一目惚れしてつけ回す。

東京から戻ってきた工藤静香はママべったり。岩下も娘の縁談相手を自ら探そうと手を尽くすなど過保護。子供時代にはログハウスをプレゼントしたりとだいぶ甘やかしてきた模様。

そんな工藤と原田が迫ったり、迫られ、身を任せそうになって放置されたり、それに逆切れして岩下ママに原田を殺してと言い出したおかげで面倒なことになったりと基本いらっとさせられるバカップル二人であります。

原田若頭陣営は懐刀の中尾彬が取り仕切る。支配下の殺し屋・火野正平を差し向け、原田龍二を探しに来た岩下サイドの幹部を刺殺。人夫姿でそっと近寄り、ナイフで後背部をぐりっと効果音付きでえぐっていくのが手口。

その成果で岩下と石橋凌の間が緊張関係に。石橋が報復で殺された幹部についていた薬師寺保栄に撃たれたり、事情聴取で警察に引っ張られた原田龍二も警察署に乗り込んできた姉かたせ梨乃にボコられ、縁を切られます。御法度の抗争を起こしたと岩下を恫喝する中尾彬。しかし、逆効果で岩下はますます諸国の幹部の説得工作に地方に出向く北村に資金援助。さらには北村と五分の兄弟盃まで結ぶ。

石橋は中尾の描いた絵図と知りつつも、原田若頭側につくことを選択し、中尾に北村と岩下の二人の命を狙うよう進言。しかし、中尾の指示は北村だけにしろ。

そして北村の決起集会がホテルで開かれることに(念のため、暴排条例とか無い頃の話です)。石橋が、殺し屋が、そして出奔の挙げ句、「昨日結婚式を教会であげてきたの」と工藤静香、原田龍二までが集結(爆)。

これまではどちらかというと弱小な組を守る極妻だった岩下志麻さんが本数を重ねるうちに、ついに巨大組織の跡目争いを左右する立場にまでなっちゃっていた本作でした。

GyaOで久々に再見。
真世紀

真世紀