とり

叫のとりのネタバレレビュー・内容・結末

(2006年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

ムンク?へー邦画かい。
これっぽっちも内容やジャンルを知らずに見たんですが、これがよかったかも。
見ていくうちにどんどん印象が変わりました。
最初はミステリー?ちょっとメロドラマ含む刑事ドラマ?犯人自分オチのサイコ?幽霊?ああよくあるジャパニーズホラー?でもなんか違う・・・猛烈に笑えるんですが、なにげにコメディ?結局ファンタジーかよ?
みたいな、一粒でいっぱいおいしいような、淡々とした作風のわりに雑然としたごちゃまぜ映画でした。
とにかく幽霊の描き方が変わってましたねぇ。
恐さなんてこれっぽっちも狙ってないのがよくわかります。
ドアをあけて普通に出て行ったかと思えば、ウルトラマンみたいに颯爽と都会の空を飛び去って行ったり。
あー、普通に触れてる!ってちょっとした衝撃みたいなのもありました。
物陰から半身だけ見せてこっちを見つめてる葉月、かわいくって仕方なかったよ。
口元は隠れてるんだけどこそこそしゃべってるのがわかる隠れ具合が絶妙。
なんでしょう、この美的感覚。
内容はどうしようもなく陳腐だったし、見せ方やカメラワークも玄人すぎて気になってしょうがないほど鑑賞の妨げにはなったけど、絵的なものがおもしろかったです。
奥行きとか立体的に見せることに心血を注いでるっていうか、芸術家ってほんま変わった人なんやーって思いますね。
カメラの引きとか移動にものすごく特徴があります。
自宅のショボイ環境でも音のこだわりを感じました。
この映画で唯一恐いと思ったのが地震の音響。
地震を扱った映画はたくさんあるけど、この作品では突出して恐怖を感じました。なんでかな?古くて狭い家屋を揺らしたところがポイントなのかなぁ?厳密には地震じゃなくてポルターガイストだから?
ライティングも、これまた鑑賞のさまたげになるほど凝っておりました。
オダギリジョーが自分の役割以上の過剰演技をしてたのがあざとく感じていやでした。
全体的にジメっと沈みぎみの演技をしてる中で、一人浮きすぎ悪目立ちしすぎです。
男性出演者の演技がいまいちだったのと、やはり映像9割って感じの力の注ぎ具合で傑作になりえなかった意欲作どまりって感じでした。
とり

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