ひろゆき

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのひろゆきのレビュー・感想・評価

5.0
銀幕短評(#49)
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」

2012年、アメリカ。 2時間9分。
総合評価 74点。→ 110点。

邦題は、原題 “Extremely Loud & Incredibly Close” の直訳。

2001年9月11日の世界貿易センター(WTC)テロを背景としたドラマ。アスペルガー症候群をもつ11才の男児主人公が、テロで父(トム・ハンクス)をうしない、心に大きな傷を負うとともに、ある目的で行動を始め いろいろな人と接触するようになる。

いろいろな映画で題材にされた9・11 WTCテロは、わたしが4年間の駐米を終えて帰国したすぐ翌月に起きた。二機目の飛行機がビルに突っ込むところを夜中のNHKニュースの生中継で見たのはショックだった。私たちのNY事務所もWTCにあり 千人余りのワーカーがいたが、被害者が一人もいなかったのは幸いだった。

このテロを転機に、国際社会は大きな荒波にのまれていく。


(以下、19年11月に追記しました)

この映画を観たのは数年前です。タイムスタンプが一年まえなのは、Facebookからフィルマークスにチマチマ諸作を移植していた日だから。

911 については、前回ふれたように 特別な感慨を どの映画を観ても感じます。ライブ世代としては、あるいは アメリカに四年間世話になった身としては。本作でも最初の紙などが落ちる映像で あああ と心が揺れてしまう。

少年オスカーの克己と勇気、父の惜しみない愛、母の深く包みこむ愛情、老人の思いやり、市井の人びとのやさしさ。終盤のあざやかな なぞ解き、たましいと魂の安らぎ。まことに見事だというほかはありません。カメラが丹念で、うつくしい音楽も うまく寄り添います。

ということで、点数は(クマ映画と同点トップの)110点に改めましょう。「犬ヶ島」のように、まえは採点がカラかったからなあ。

さて、あのタンバリンはどこに仕舞われるのでしょうね。
ひろゆき

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