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歓待の地球へのレビュー・感想・評価

歓待(2010年製作の映画)
4.1
平和な一家が、突然現れた怪しい男によってかき乱されていくなんとも不思議(混沌とした)な映画。

「歓待 1.1」を名画座で鑑賞(いつものキネカ大森です)
※監督曰く「1.1=デレクターズカットバージョン」だそうです

雪だるまのごとく最初は小さな雪だるまであったが、この男の侵入で、だんだんと大きな雪だるま(=災難)に変わっていく。

平和な一家をかき乱すこの怪しい男は凄いが、かき乱される一家もけっこう凄い。
出戻りの妹(主人公の)、若い後妻(表現が古くてすみません)と逃げた前妻との間に生まれた娘、そして主人公が同じ屋根の下に住んでいる。
しかも、それぞれにいろいろと秘密がある。
これで家族?、まるで共同体にように考えられる。

そして怪しい男(異人?)がどことなく不気味でホラーチック、映画自体もホラーなのかと思いながらも進んでいく。

邪魔者が家に侵入してきたことで観客のフラストレーションも溜まるはずだが、さらっと観ていると悲劇よりは喜劇。
大騒動となったこの一家を、冷静に且つコメディ映画として観ることもできる。

オチは、大騒動を上手く収束する平凡な展開のようであり、「不法滞在の外国人問題」を扱っているようにも思える。

要約すれば「新しい共同体」、もしくはこれからの「日本」を論じていると考えます。
喜劇として楽しむのか、色々と考えながら悩むのか観客に委ねられた作品でした。

鑑賞後に「しゃべれ場!?(トークショー)」にも参加。
深田監督自身から本作への熱い思い入れを聴けました。
また、最新作「淵に立つ」との関係も聴けてLuckでした。
ネタバレになるので紹介は控えます。
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