いの

隠し砦の三悪人のいののレビュー・感想・評価

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)
4.5
「姫は楽しかった」


これは文句なしに好きだ。侍と百姓が手を繋ぐやつ、好きに決まっとる! 落ちた秋月城の、残骸的な風景から超圧巻で、美術部のどうだー!的なドヤにつぐドヤにたまらなくワクワクする。地面に近い所に位置するカメラが、ダダダダって駆け降りる人々の足・足・足を映すのもめっちゃ好きだし、峡谷の場面とかというか、ずっとマカロニテイストでとにかく好み。斜面(峡谷を駆け上がったり、岩場をずり落ちたり、終盤に穏やかな坂道を数頭の馬がゆっくり降りていったり、などなど)の有効利用がもの凄く効いている。三船敏郎と、もうひとかた(藤田進)との槍での果たし合いも迫力あり。火祭りの場面も、祭りの根本が描かれているような気がして高揚する。武士的要素と庶民的要素との配分も申し分ない。千秋実さんと藤原鎌足さんとのいちゃいちゃはずーっと観ていたいし、そこに三船さんと姫と、姫が救ったもうひとりの女性というメンツも楽しく、この珍道中は ユーモアと知恵と度胸とおおらかさ などなど、いろんなものが詰まっていて、なんかいいんだよなぁ。
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