HicK

ショーシャンクの空にのHicKのレビュー・感想・評価

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
4.3
《暗闇の中の光》

【アンディ】
優しさは時に利用しやすい。アンディの信念は受刑者たちの教養の場を整えたが、刑務官の悪行にも力を貸してしまう結果に。悲しい事に「真面目な奴がバカを見る」展開。親しい人物の悲劇にも見舞われ、ここまで救われないものかと。「必死に生きるか。必死に死ぬか」のセリフは「結果はどうあれ全力を尽くす」という意味に受け取った。アンディを応援したくなる。

【本当のアンディ】
こんな事言ったらアレだけど…、劇中を通して彼の行動は自身の正義を表したものにも見えるが、心情は一切語られないので本当のところどうだったか分からない怖さもある。アンディーはどういう奴だったのか。いつ脱獄を計画していたのか。始めから全て計画されたものだったのか。誰にも分からない。捉え方次第で真面目な奴とも策士ともとれる。なんて、台無しになるような事も考えたりした。

【レッド】
この物語はレッドの目線で語られている事も本当のアンディが見えない理由。観客はレッドになって彼を見る。アンディーを応援したくなるのもレッドの優しさと包容力のおかげでもあると思う。モーガン・フリーマンのナレーションはとても心地良かった。彼の声が作品を包み込んでいた。

【総括】
余計な事を考えたりしたが、ラストの着地は清々しく、それが法を犯した行為でも、まっすぐな彼に素直に拍手を送れた。

暗闇のなか染まる事なく光を持ち続けたアンディーでした。
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