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007/消されたライセンスの3104のレビュー・感想・評価

007/消されたライセンス(1989年製作の映画)
3.2
前作『リビング・デイライツ』に続き、タフで女っ気少なめ、怒りをあらわにするダルトンボンド。今作は「友の復讐」という、更にこれまでのボンドらしくない要素が加わる。まるで90年代以降のハリウッドマナーな映画のようでもあり。

そういうボンドは新鮮なのだが、何作も続けて観るものではないかなと。結果的にダルトンボンドと同時にタフでシリアスな路線がここで一段落したから言うわけではないが、(結局作品やシリーズをどの視点から見るかによるのだが)これまでのボンド諸作と比べての新鮮味や~この場合はいい意味での~違和感が、今作(と前作)を面白く観るための大きな“燃料”になっていたのは偽らざる感想だ。

また筆致やアクションは力強いが、物語におけるタメや奥行きが若干乏しい。友の復讐だけでここまでやる(程の仲だった?)のか?サンチェスが大物ぽくないぞ?またニンジャかよ!終盤はいっぱい爆破させりゃいいってもんじゃないだろ?舞台が中米だけであちこち飛び回らないのね・・等々。そしてタイトルで謳われるほど“ライセンス消された感”がなかったのにも少々ガッカリ。

変わりゆくキャストの中で最古参になってしまったQおじいさんが今回は大活躍。「動」のほうのボンドガール・パメラもキュート。アバンの「釣り」のくだりは爽快。そして2作だけだったけれど、新しいボンドを魅せてくれたティモシー・ダルトンにありがとうを。
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