彦次郎

悪魔の手毬唄の彦次郎のレビュー・感想・評価

悪魔の手毬唄(1977年製作の映画)
4.1
20年前に起こった鬼首村で起こった迷宮入り事件の解決を磯川警部より依頼された金田一耕助が新たに発生した連続殺人に巻き込まれる昭和ミステリー。
腰の曲がった老婆と金田一の邂逅は余りにも不気味で今でも印象的です。
市川崑と石坂浩二による恐らくシリーズ最高傑作。閉鎖的な村を陰鬱的に映し出す映像と個性的なキャラを演じた俳優陣の素晴らしい演技と情念のこもった悲劇と無残極まる殺害現場が強烈な為と思われます。
沼地側の放念さんの陋屋が不気味で昭和6年の殺害現場の焼け爛れた顔はホラー以外何物でも有りません。そんな殺人現場から引っ越しもせずに20年も住んでいる放念さんからして異常。
詐欺師というより色欲の亡者ともいうべき恩田、殺人が起こるたびに手毬唄を思い出し人を呼びつける(二番、三番を聞こうとすると必ず忘れたと言い張る)クソババアなど曲者揃いな中、旅館の女将さんに惚れて漢気を見せる警部が光っていました。
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