このレビューはネタバレを含みます
チャップリンのニューヨークで告白
2012年12月28日 10時56分レビュー。
1959年イギリス作品。製作、脚本、音楽、監督主演チャールズチャップリン。
我が愛する
喜劇王チャールズチャップリン。
チャップリンの晩年作品は、長らく見ていませんでした。ちゃんとしっかり見れなかった。楽しいチャップリンが大好きだから、、、、(さみし)
遺作「伯爵夫人」も数年前に鑑賞。
チャップリンの最後の遺言のような普通のマーロン、ソフィアローレンというくせ者二人を配して船上コメディに仕立てた監督作品でした。
歴史に噛みつきトークし運命を変えた「独裁者」
チャップリン映画史上最大のブラックポイズン「殺人狂時代」
芸人の落ちぶれは、老いと若者への賛歌、傑作「ライムライト」とみてまいりました。
「街の灯」「モダンタイムス」以降は、チャーリートーキーに嫌々参加します。
以降製作スタイルは、ガラリと変え、
パントマイムは、影を潜め、攻撃的かつ言葉に優しい映画を作ります。
お笑いからチャップリンのトーキー映画の様相が見えてきます。
政治的、攻撃的な作品であります。
晩年作品これでついに見終える本作。
本作もベータ録画ビデオが、子供の頃ありました。若かかりし頃は、晩年作品はあんまり好きではありませんでした。
そこで時たち、私も年重ね、ようやくヘラルドDVD鑑賞しました。
まさに「ニューヨークの王様」というより
「ニューヨークの告白、ニューヨークで告白、アメリカの告白」に見た気がします。チャーリーが、アメリカで体感した人生経験を「告白」するような映画です。
ある意味
「アメリカ」批判
アメリカコメディ
アメリカの私の見た、聞いた、感慨、皮肉ってやろう精神が込められています。
チャップリン、おん年「67才」の作品です。
チャップリンが、ある国の王様に扮し、お供もついてアメリカを訪れます。そこでのアメリカ珍道中の作品です。
お相手の女性がエリザベステーラーに似ていますね。チャーリーカメラ気にせずに告白してますね。カメラそっちのけで求愛する。だから女性で失敗したのかもしれません、チャーリー(余計なお世話だけど。)
後半になると、ある子供が登場。チャップリンの息子さんです。
「独裁者」のチャーリーの告白を変わりに自分の子供が告白する。役割交代するという訳であります。完全に「独裁者」のあのチャーリーでございます。
本作勿論チャーリーのギャグも顕在なんですよ!
ドラムのネタは「犬の生活」から
子供のからかいは、「街の灯」「偽牧師」から
帽子ケーキも「偽牧師」から
抜けなくなるネタは、「街の灯」から
チャーリーのギャグは、常に短編から長編へ繰り返され進化しています。
自分のギャグをフレーズをやり続ける。芸人の基礎。これも喜劇王たる由縁であります。
チャーリーの映画やテレビパロディが見れたのは、新鮮でした!
チャーリーの悪意というより、本当にやりたかったのは、ラストのくだりのギャグかもしれません。
ちなみに1915年の「チャップリンの寄席見物」でも水びたしにするギャグあります。
チャーリーのギャグと励ましとパロディと冷静な爆弾が王様となって放たれます。
チャーリーのアメリカに向けての
最大最後のギャグ
に見えました。
私はこんな風にアメリカを思ってきたんだよ!
という告白に見えました。
さて
チャップリンのニューヨークで王様
アメリカへ爆弾
アメリカのギャグ
アメリカで裸の王様
ニューヨークでアメリカの告白
ぜひご覧ください!
追伸
本作を果敢に模倣したジョンランディス監督、エディーマーフィー主演の「星の王子ニューヨークへ行く」も是非。