チョマサ

サクリファイスのチョマサのネタバレレビュー・内容・結末

サクリファイス(1986年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

『ノスタルジア』と同じくらいの映像の美しさと体験を見せてくれるんだけど、物語がとんでもなかったと思う。

自分の息子/孫?を「子供」と名前で呼ばないところから、変に思ってたけど、この家族がおかしい。奥さんは不倫してるし、娘は奥さんの不倫相手を誘惑するし、家族関係が壊れてる。家政婦がマリアって名前だったり、冒頭の木が聖書の生命の樹かと思ってたから、聖書由来の関係や名前付けなんだろうか。

アレクサンデルの造形は、老人が過去を振り返り後悔する場面と撮影がベルイマンと組んでたスヴェン・ニクヴィストだから『野いちご(未見)』を基にしてるのかなと思った。

神様を信じていないのに、神様に祈る場面や、マリアに母性を求める場面もとんでもなかったけど、「子ども」のために家を燃やしたり、舞台が終末戦争が始まっている世界というのもあって、これは愚かな時代を清算して、未来に希望を残すってラストなんだろうか。そうだったらすごい映画だ。

『タルコフスキーファイル』の一部分がニコニコに上がってて、それを見たら家を燃やす場面は一度失敗してるのが分かる。だけどまた家を建てて撮影したのにはプロデューサーやスタッフの気概を感じる。

牛乳が落ちる場面はR.E.MのPVでオマージュが捧げられていたけど、改めてみると、あれ完コピなんだけど、映像の水準が全然追いついていなかった。元の場面の方が強度が高い。
尺八や羽織にはちょっと笑った。
チョマサ

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