このチープさと脱力感は、いいなあ。
水色のジャージというよりパジャマのような制服。赤いニット帽、特に強面のウィレム=デフォーが被ると可愛い。
音楽は電子音のようでありながら、乗組員の弾き語りも加えておしゃれ。
あらすじは、混沌としながらも、しみじみとさせる大団円に持っていく。
やっぱり、ウェス=アンダーソン監督はいい。
『天才マックスの世界』からおなじみのビル=マーレイは相変わらずだし、個性的という常套句ではおさまりきれないほどの、キャラクターの数々にハマってしまう。
このあとの『ムーンライズ・キングダム』にも使われている、断面図と部屋の移動アングルなど、どの画面もきりがないほど細部にも凝っていて、素敵だ。