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黒水仙のsundayのレビュー・感想・評価

黒水仙(1946年製作の映画)
1.8
「シンデレラはどこへ行ったのか」で取り上げられていた作家、ルーマ・ゴッデンの原作とあり見てみた。

インドはダージリン地方で、領主の求めに応じて、教育と病院を行う修道女4人の物語、なのだが、
どうにもイギリス人の植民者目線で、下等で未開のヒトを教化してやる、という雰囲気を感じてしまい、しかしデボラ・カーの美しさにみとれて、やっと最後まで見た、という状態。う~ん、原作はベストセラーになったのだよなあ。1937年の原作だから、当時のイギリスでは受けたのかなあ。

ただ、映画は現地の人々を未開でどうしようもない人たち、として映しているが、とてつもない自然に触れ、修道女たちは禁欲的な生活からはみだしてくる。そしてインドの流儀には相容れず、または太刀打ちするのをあきらめ、去る。現地人を未開で野蛮な、として描いてはいるが、インドで育った原作者ゴッデンは、それなりにインドの存在を認めていたのか?

映画「インドへの道」なんかも同じような雰囲気だったかなあ。


舞台はダージリン地方の山岳地帯にある元王様のハーレムだった建物に、現領主が教育施設と病院をつくりたい、という意を受けて、女子修道会が4人の修道女を送り込む。主任はデボラ・カー扮するシスター・クローダー。この修道会はキリスト教徒になることは強制しない主義だとの字幕が出る。

う~ん、なんというか、違和感だらけの画面。現地には軍人?のイギリス人男性がいて、彼は現地に溶け込んで暮らしている。領主の王子も勉強したいとやってきて、広くヨーロッパやキリスト教にとても興味がある、と宝石とターバンを身に着けてやってくる。領主は人々にお金をやって学校と病院に行くようにしている。授業は英語が分かるからということでイギリス人男性の所で働くコックの息子が、英語を教える。

黒水仙は王子が身に着けていたスカーフに浸み込ませていた香水の名前。体臭が気にならないのですか?と王子は修道女に問う。



ルーマ・ゴッデン
1907年、英国サセックス州生まれ。父の仕事の関係で、生後6カ月で当時英国領だったインドに移り住む。12歳のときに英国へもどるが、その後もインドとを行き来して暮らした。1935年に作家として活動をはじめ、おとな向けや子ども向けに数々の作品を生み出した。作品は長編小説、短編小説、戯曲、詩など多岐にわたる

ウィキ説明
インド・ヒマラヤ山麓の女子修道院を舞台としたルーマー・ゴッデンの小説の映画化であり、マイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーが共同監督、デボラ・カーが主演した。インドでのロケーションは行われず、テクニカラー作品として撮影されている。

原題: Black Narcissus

1947イギリス
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