ずどこんちょ

のだめカンタービレ 最終楽章 前編のずどこんちょのレビュー・感想・評価

3.2
連ドラからSPドラマを経て、ついにスクリーンへ。
初めて見たのはもう何年も前になりますが、昨年連ドラから見直してようやくここまで再び辿り着きました。

前編は主に千秋を主軸に物語が進んでいきます。
かつてシュトレーゼマンも指揮を取っていたマルレ・オケの常任指揮者を任された千秋真一。ところが、歴史あるマルレ・オケは経営不振に陥っており、団員がまともに集まらない寄せ集めのオーケストラでした。

ちぐはぐな団員たちをまとめ上げる作業から始める必要があるオーケストラ。
あぁ、懐かしい。以前もSオケで鍛え上げていた千秋。こういう経験は2度目ですから、こんな事では挫けません。相変わらず、細かい指摘と厳しい練習に団員たちも疲弊していきます。
しかし、オーケストラと演奏に対する熱意は伝わったようで、堅物で曲者だったコンマスとも同調し、次第に団員たちもまとまりを見せ始めるのです。
チャイコフスキー序曲「1812年」。千秋の解説もあって、情景が浮かぶ素晴らしい演奏でした。

劇場版になって予算も跳ね上がったかCGにも力が入っています。
のだめによる千秋との初共演お祝いパレードのシーンの何という華やかさ。盛大なお祝いはまるでディズニーアニメを見ているようなのですが、残念ながら初共演はちょっとした誤解によって幻となって消えます。最大のライバル、係の勘違いによって孫Ruiが出ることになってしまったのです。
何だったんだ、あの時間と予算の無駄遣いは!
団員たちに歓迎される孫Ruiに対し、それでものだめを出したがる千秋に、のだめが「空気読め!」と叱りつけるのも新鮮で面白かったです。

数多のハードルを超えて、音楽を楽しみ、傾いていたオーケストラに盛大な拍手を取り戻した千秋。またも数歩先を登っていってしまったようです。
さて、後半。のだめはそんな彼にどう向き合っていくのでしょうか。