竜平

アヒルと鴨のコインロッカーの竜平のレビュー・感想・評価

3.8
大学入学のため仙台に引っ越してくる青年が新居の隣部屋に住む男に「本屋を襲撃しよう」と誘われ、そこから何やら奇妙な交友関係や事件と関わっていくことに、という話。ヒューマンドラマ的ミステリー映画。

これまためちゃ久しぶりに鑑賞。出演が濱田岳、瑛太、関めぐみ、更に大塚寧々や松田龍平など。じつは出てる、まだお笑いコンビ“ハローバイバイ”だった頃の「Mr.都市伝説」こと関暁夫よ。主人公の青年に不意に訪れる「河崎」と名乗る男との出会いから、逆隣の部屋に住む何やら孤独(?)なブータン人留学生の存在やら、ペットショップの女性店長やら動物を虐待してるという不良たちやら、様々な人物が続々登場。伊坂幸太郎によるミステリー小説が原作ということで、前述のちょっとした本屋強盗に始まり後々何か起きたり判明したりするんだろうなってのはもちろん予想できるとして、しかし前半ほぼ丸々使う「布石」の部分で飽きてしまう人もいるのかも。一見なんでもないような、しかし意味深なセリフやらエピソードやらがちゃんと伏線になってるから集中して見とくべし。人物の性格やらでもミスリードを誘ってくるあたりおもしろい。で上映時間ちょうど半分のところからほぼラストまで見せる回想、こんなにも長い種明かしってなかなかない。まーー予想できないし、そこに待つ切なさと不思議なほっこり感を纏った結末というのはやっぱり見もの。

中盤は忘れてるところもあったけどオチは覚えてたもんで、しっかり二回目の感じで鑑賞できて、今回答え合わせ的な楽しみ方で見れたというところ。この時こんなこと言ってたんだー、とかね。あとディランの「Blowin' in the wind(風に吹かれて)」が頭から離れなくなる、作中でめっちゃ流れるってゆー。わりと好きな一本。
竜平

竜平