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僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.のTSのレビュー・感想・評価

3.3
【タイトル通りの内容】73点
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監督:深作健太
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:126分
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人権映画学習ということで大ホールで生徒とともに鑑賞。ここで見なければまず出会わなかったであろう作品の一つです。向井理や松坂桃李、阿部寛など中々の豪華キャストで製作されてる作品です。

普通に大学生活を送っていた田中甲太は何か新しいことをしてみたいと常々思っていた。そんな中、カンボジアのボランティアに関するビラを発見するのだが。。

実話ということで、彼ら大学生がカンボジアに学校を建てるという話。そのためにはかなりのお金がいるということで、彼らはイベントサークルを開いてお金を集めようとします。これには少しニヤニヤさせられました。何故なら実際に僕もそういう団体さんのイベントに参加したことがあるからです。しかし所詮はクラブイベント。それを手段として最終的にカンボジアのそのボランティアに繋げている団体が一体どれくらいあるのか。クラブという空間は、僕は音楽を最大限に楽しめる空間と思っているので否定はしませんが、それでカンボジアの学校建設の費用を集めるのは最適な手段ではないように思えます。まあ確かに集客さえ成功すれば手っ取り早いかもしれませんが、その場合最終目標を履き違えている人物がいないか注意すべき必要があります。実際、意見が食い違い彼らの団体「そらまめ」は一度瓦解します。なんとなく面白そうだから。これが率直な意見でしょう。

しかし、実際に彼らがカンボジアに行ってからのシークエンスはなかなかのものでして、かなりドキュメンタリー風に仕上げられてます。実際即興の台詞も多々あったようでして、よりリアリティが出ていました。中でもカンボジアの現地のガイドさんがポルポト政権の惨劇を語っている様はとても演技に見えませんでした。もしかしたらここもアドリブなのかもしれません。

さて結局のところカンボジアに学校を建てるのは果たして良いことなのか否かという話になってきますがこれは難しい。暇を持て余した学生が、自己満で思いついたものと言ってしまえばそれまでですし、もっと他にしないといけないことがあるのではないか、とも言われそうです。その葛藤に関しても今作は描いてます。そして最終的には答えを出しています。それが正解なのかわからないですが、この映画のタイトルは実に的を得ていると思います。続きも含めて。。

生徒に見せるにはやや不適切な描写があったかなとも思いましたが、カンボジアの子どもたちの人権はもちろん、大学生になったら色んなことを考えて、行動に移さなければならないということも十分考えさせられた作品だったのではないでしょうか。とりあえず、明日の世界史の授業ではポルポト政権について言及しようかと思いました。
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