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夏の嵐のSSRのネタバレレビュー・内容・結末

夏の嵐(1954年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

高貴な少女漫画にみせかけた啓蒙映画

話のご都合主義的なアホっぽい展開も少女漫画みたいだし、ヒロインがペラペラ独白する感じもヒーローのナルシシズムにも笑える。
リヴィアは終始馬鹿みたいなんだけどこの馬鹿さがまさに恋に浮かれた人っぽいよね。従兄弟の愚直さも同じく周り見えてない感じ。自分の黒歴史思い出して羞恥したけど鑑賞者に第三者的目線でイタタタ…をあえて作り出すのは面白いしよくできてる。

美術面では垂れ衣?(正式な呼称がわからぬ)のレースの透け感と空気をはらむ感じが綺麗だな〜とおもってみてたけど影で強調して撮影することでロマンティックを演出してて嬉しくなった。やっぱり綺麗だよね。
あとヴェネツィアの保存状態には見るたび感服する。数年前に私が訪れたときとほぼ同じ風景がみられて嬉しかった。(様々問題はあるだろうが文化遺産保存への姿勢を日本も見習うべき)ただ今作の背景でもわかるようにまちの小規模さが映画のスケール感を小さくしかねないから扱いが難しいだろうなとも思う。さすが名監督だけあってどの作品でも効果的に使ってるけど。


冒頭、オペラ知識がなさすぎて展開のなんらかの布石だっただろうに想像しかできず悔しい。恋愛映画ではないと気がつくのに時間がかからなくて済んだだろうよ…頭でっかちは良くないけど知識がないと楽しみないことが多いね

私は気の強い女だから女がやられまくってる作品は苦手。しかも賢くない醜悪な男に。最悪。でも若い娼婦クララが親切でまだマシだった。
「彼は満足でしょう、理想に殉じたいのだから」「命を賭けるような問題に関心がないのです」
こんなあっけらかんとしてたらシニシズムも悪くないかも。
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