ジム・キャリー扮するトゥルーマンはリアリティ番組「トゥルーマン・ショー」の主役。生まれた頃から現在までの生活を24時間365日放映される男。住む町はセットで家族・友人・妻はみんな役者。本人だけがその事実を知らない。
バカバカしくて斬新な設定だけど、奥が深い作品。クリストフとトゥルーマンはまさに「疑似親子」関係。トゥルーマンが産まれた頃から彼の傍にいて、気にかけ、他人以上の感情を持ち生きている。そういう意味では、あのセットの街はクリストフの創った「安全な家庭環境」であり、そこでの生活に疑問を感じるトゥルーマンの姿は「自立」を象徴するものとも思える。
それを踏まえると、ラストでのトゥルーマンの選択はとても自然。ただ、あれをハッピーエンドと解釈するかはお客さん次第。