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キャリーのanzuのレビュー・感想・評価

キャリー(1976年製作の映画)
3.8
高校生の頃に劇場まで観に行ったリメイク版ではひたすらにクロエが可愛いと言う記憶止まりだったが、本作でずっと語り継がれているキャリーの魅力を感じることが出来た。

キャリーを演じたシシー・スペイセクは冒頭のシャワーシーンから強烈だし、笑顔でさえも身の毛がよだつ。美人なのに演技の徹底ぶりが凄かった…

彼女の演技で奇妙さもあるが物語が進むにつれ、キャリーは純粋無垢な少女にも思える。観ていくうちに、彼女が人を信じてみようと勇気を出す姿には不安を覚え、襲いかかる悍ましい現実には怒りを感じ、心が揺れ動かされた。
キャリーの取り巻く環境を考えると善悪ハッキリつけることが出来ない。そのむず痒さや切なさが今作の魅力だと思う。

プロムのシーンは万華鏡のように美しくも悲劇の予兆がチラチラとし、結末は分かっているはずなのに、この色鮮やかな瞬間がいつまでも続いてほしいと願ってしまいました…カメラアングルやBGMも尖ってて、異彩を放つ名作です。
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