anzuさんの映画レビュー・感想・評価

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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

『聖なる鹿殺し』『ロブスター』のストーリー設定があまりにも斬新すぎて惚れ込んだヨルゴス・ランティモス。彼がここまで世界観を作り込んで映し出したベラの人生は、本当に色鮮やかで最高だった。

エマ・ストー
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.8

A24ホラーはやはり新鮮さがある。

学生ならではの悪ノリ、団体が故に許されると思う軽薄さ、全て含めて若き頃に抱いた嫌な感情が蘇るようだった。

寂しさ故に悪い方へと引っ張られていくミア。ただのホラー
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(2023年製作の映画)

3.5

この世の中、目を背けてしまっている問題で溢れている。

障害者施設で起こった実際の事件を基にして"優生思想"について様々な角度から考えさせられる。

題材には重みがあるが何処かリアリティに欠ける部分も
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エレメント・オブ・クライム(1984年製作の映画)

3.8

「犯罪の原点」
ラース・フォン・トリア監督の長編デビュー作。殺人鬼と精神を重ねながら捜査を進める刑事が主人公。

こだわり抜いたセピア調の映像が、幻想と現実のボーダーラインを曖昧にする。雨に降られる異
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.8

『逆転のトライアングル』を鑑賞後、じわじわと考えさせられる感じが妙に好きで監督の過去作品を。

リューベン・オストルンドの作品はブラックユーモアのセンスが抜群で、カタルシスを感じる。

現代美術館のキ
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汚れた血(1986年製作の映画)

3.8

前に映画館で上映していたので、大学生の頃ぶりに鑑賞。

実は大学生の頃は、『TOKYO』を観てからレオス・カラックス監督には苦手意識があって。
でも、不思議と彼の作品は、観た後に何度も思い出すし、解釈
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.7

友人に「ジャケットに惹かれて観に行ったら、想像以上に重くて驚いた」と聞いていたので覚悟して鑑賞。

ずっと胸に仕舞い続けた怒りや悔しさが溌剌と描かれていて、ラストは想像を遥かに凌駕する。

ポップなテ
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライト監督、前作に続き映像と音楽にエッジが効いてて最高にかっこいい。

作品の深みはないかもしれないけど、これはこれでキャスティング含めて完璧な仕上がりだと言い切れ
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私が、生きる肌(2011年製作の映画)

4.4

ペドロ・アルモドバルの作品は観た時、いつも衝撃を受ける。

ベラが画面で映し出された時、まるで中世の絵画かと思うくらい美しい。
完璧というまでの端正な顔立ちにボディラインを持つベラ。

しかし、ロベル
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.0

ずっと前からジャケットに映るピンクのセーターを着たブロンドの女性に惹かれていたように思う。

絶対にジェーンの愛らしさに心奪われるんだろうなと予想はしていたが、女性らしい仕草に受話器越しに聴こえてくる
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この世界に残されて(2019年製作の映画)

4.0

男と女の関係には名前をつけたくなってしまうもの。しかし、恋人や友人じゃなくても"信頼できる人"、その一言だけでも十分な関係もある。

誰かに寄りかかりたくなった時、それは家族や恋人、友人でもないと心が
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.5

ルカ・グァダニーノ監督が人喰いの恋愛を撮るなんて…好きな要素がたくさん詰まって贅沢でした。

映画を鑑賞して、原作を読んで、もう一度映画館へ足を運んだ。

はじめは映像の美しさに息を呑む。ロードムービ
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デリシュ!(2021年製作の映画)

3.7

1789のフランス革命前夜に起こった〈食の革命〉。

舞台の"1789"や漫画"ベルサイユのばら"、マリーアントワネット関連の映画などを好んで観てきた私にとって、この時代のアナザーストーリーを知れたよ
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.8

ジャケットだけで目を惹く映画はずるい。

RAWも凄まじい印象を残してきたけど、本作も予想を遥かに超えてきた。
普通主人公に感情移入できないと作品に入り込めないが、何故かアレクシアには興味を掻き立てら
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オペラ座の怪人(2004年製作の映画)

4.5

昔から何度観ても必ず涙を流す作品。

映画では感動や胸を掴まれたような悔しさで泣くこともありますが、私は美しい映像や音楽に感情が溢れて、涙することが圧倒的に多い。

本作は何度聴いても色褪せることのな
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アネット(2021年製作の映画)

3.8

映画という枠を越えるような不思議な体験。

80年代のレオス・カラックス監督の映画を観ていたので、「あのレジェンドの最新作を映画館で観れるの!?」と感激した…元々監督は20代の頃に評価されていたので、
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シラノ(2021年製作の映画)

4.0

【フランスの古典文学×ミュージカル×ジョー・ライト監督】という組み合わせ…作品を観る前から「絶対に私の好きな作品に仲間入りする!」と思わざる得なかった。

ヨーロッパの古典文学の映画作品は好きでよく観
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あるスキャンダルの覚え書き(2006年製作の映画)

3.9

ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットの演技力が作品の面白さを際立たせる。

血を浴びる映画でもないのに、人への"執着心"が恐怖へと陥れる。
しかし、その感情の裏には孤独と、誰かの一番になりたいとい
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

3.8

"子供たちを守る"という揺るがない信念。

恥ずかしながら世界最強のテニスプレイヤーセリーナ&ビーナス姉妹の存在を今まで知らなかったのですが…調べてみると並外れた戦績というのが分かる。

世界チャンピ
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.8

心の内に触れてくるような作品だった。

傷ついている。辛いんだ。
自分の感情を素直に受け入れずに生きていて、他の誰かを幸せにすることなんて出来るのだろうか。

劇中の舞台のシーンの台詞で、
"仕方がな
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.2

高校生の頃にウェス・アンダーソンの作品を片っ端から観た記憶があるのですが、今回は最高傑作と言われてるだけあって、終始ワクワクが止まらない。

ストップモーションアニメ("犬ヶ島"や"ファンタスティック
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.8

90歳超えても、コロナ禍でも監督&主演をやり切るクリント・イーストウッドはかっこいい。

今作は原題に"マッチョ"というワードが入っているので、男らしさ、怖いもの知らずのカウボーイ、ロデオなんてワード
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海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

4.5

アメリカ映画を立て続けに観ていて、無性に静謐なフランス映画を求めていました。

なんだか今のモヤモヤした気持ちにストンと入る…フランス映画にしてはとても分かりやすくも重厚感は健在で、エリック・ロメール
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ミッドナイト・ファミリー(2019年製作の映画)

3.8

なぜ救急車の真ん中に、救急隊員として子供がいるのだろう?

"メキシコシティの人口900万人に対して、公営の救急車は45台未満"

"ほとんどの救急医療を無許可の私営救急が請け負っている"

私営救急
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シカゴ(2002年製作の映画)

4.8

大好きすぎる作品だと言葉にするのが難しくて、Filmarksに記録できていない傾向にあります笑

シカゴは、私が映画を好きになったきっかけでもある大切な作品。
出逢ったのは中学生の頃、今まで親と一緒に
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恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.0

ずっと TSUTAYAで借りるか悩んでいた作品がHuluに入ってきた!これは…隠れた名作に出逢ってしまった!

爆弾を無事運び出すことができたら、高額な報酬を貰える。しかし、運び出すルートは崖やガタガ
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クリープショー(1982年製作の映画)

3.6

スティーヴン・キング原作というのが気になって。

ホラーアメコミを映画に仕上げた作品。オムニバスになっているので、ハロウィン映画を数十分で味わいたいというときには持ってこいの作品。

少しレトロな雰囲
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フォーン・ブース(2002年製作の映画)

3.8

"ギルティ"や"ザ・コール"など、音と会話だけで楽しめるワンシチュエーションサスペンスは面白い。

ほぼコリン・ファレルの一人芝居なんだけど、恐怖や焦り、やるせ無さが漲ってて、81分間飽きさせない。
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G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ(2021年製作の映画)

3.5

日本愛に溢れている監督が、しっかり長期ロケして撮った作品だったので記録。

過去2作品とは全く繋がっていない完璧"オリジナル"ですが、前作同様ツッコミながら観るのが楽しい映画でした。
スネークアイズは
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リトルショップ・オブ・ホラーズ(1986年製作の映画)

3.8

小さい頃に出逢っていたら、もっと怖くて、もっとワクワクして、ずっと心に残るような作品になっていたはず。

冒頭から歌唱力満点の音楽で始まり、期待以上のミュージカル!主人公やヒロインも冴えなくて、話の展
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ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

4.0

これがカルト映画というものが…世間一般に受けなくても、誰かを熱狂させる作品って素晴らしい。

ロックな音楽、ギラギラの衣装とメイク、屋敷の内装がハイセンス。観て、聴いて、とにかく楽しむ!

想像以上に
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死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

4.0

死霊館シリーズは全部好き。レイトショーが再開していたので鑑賞。

ジェームズ・ワンをしっかり引き継いでいて、安定に質のいいホラー映画だった。

監督もインタビューで話していますが、死霊館シリーズが成功
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メインストリーム(2021年製作の映画)

3.7

"一瞬でも日常を超越するため"

SNSが主流になって、一般の人でも輝くチャンスが溢れているように感じてしまう今。
「誰かに求められたい」「普通は嫌だ」と誰しもが一度は考えたことがある思いを、エッジを
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EMMA エマ(2020年製作の映画)

4.4

数年前にautumn de wildのInstagramを見つけてからというもの、時々上がるEmmaの投稿が好きすぎて…洋服のデザイナーか写真家かな?と思っていたら、まさかの監督で衝撃を受けました笑>>続きを読む

ピアニスト(2001年製作の映画)

3.8

"自分の映画の見方について語ることはしたくありません。なぜなら、そうすると観客は自分で考える必要がなくなってしまうからです" ミヒャエル・ハネケ監督

想像していた世界と現実の乖離にもがく。

「私に
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ブロー・ザ・マン・ダウン~女たちの協定~(2019年製作の映画)

4.0

寒空の下の小さな港町に、想像を掻き立てる余地を残す脚本。まるで北欧映画のようで、個人的に凄く好みの作品に出逢ってしまいました。

彩度が薄い美しい街並みに、独特なBGMと力強い労働曲(意味深な歌詞)が
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