半変人のお調子者

キャリーの半変人のお調子者のレビュー・感想・評価

キャリー(1976年製作の映画)
4.7
なんて切ない話なのか。
学校にも家にも居場所が無い少女がようやく掴んだ一筋の光。
しかしそれすら踏み躙られてしまう。
そこからの阿鼻叫喚の念力大会。やっちまえ!という気持ちよりもあぁ…遂にそうなってしまったか…という切なさが勝った。

スーとトミーも不憫でならない。

スーはキャリーをいじめていた事を本気で反省し、キャリーがプロムを楽しめるようにサポートしてたし、トミーは最初こそ乗り気じゃなかったけど、段々キャリーに惹かれて、彼女を楽しませようとしてるし、それだけに結末は本当に不憫…
スーが可哀想すぎて…

『ミッドナイトクロス』のコンビがこっちでもコンビだったのに、驚いた。まぁこっちは同情の余地無しのドクズだけども。こいつらが呪われりゃ良かったのに…笑

狂信的過ぎる母親も凄い。生理にブチギレる理不尽っぷりはもはやホラー。親ガチャの失敗例でもトップクラスでは無かろうか。完全にイっちゃってる人にしか見えない。

スローモーション、二画面進行、手前と奥どちらにもピントが合っている映像…等々、デ・パルマお得意の演出には思わず唸ってしまう。

特にスーがステージ上のロープに気付いて、目で追っていく場面。
幸せな場面から一気に緊張感が高まる素晴らしい演出だった。

映画評価基準

この映画が好きか 9
没入感 10
脚本 9
演出 10
映像 10
キャスト 10
音楽 8
余韻 10
おすすめ度 9
何度も観たくなるか 9

計94点