このレビューはネタバレを含みます
旧ソ連政府にカットされていたシーンも復元された〈完全版〉鑑賞。
ピアニストとして華々しい将来を約束されていたアンドレイは、戦争で左腕を負傷した為に、音楽家の道を諦めて傷心の帰国を果たす。
一方、恋人ナターシャは、ソ連同盟音楽コンクールで優勝者となり、音楽会で歌を披露し喝采を浴びる。
再会を果たしたアンドレイとナターシャは、手を取り合って喜ぶのだが、そのコンクールのピアノ部門で優勝者となったボリスの弾くリストの素晴らしさに打ちのめされたアンドレイは、姿を消すのだった...。
ピアノは諦めたが、アコーディオンなら右手だけで大丈夫だったって辺りが良いね。[バイカル湖のほとり]
行き着いた開拓地のレストランで、アコーディオンの弾き語りで評判を呼ぶまでになるアンドレイ。
終盤、またしても姿を消して、密かに作曲活動を行っていたアンドレイの[シベリヤ物語]が、国立モスクワ交響楽団によって演奏され、アンドレイが力強い言葉と歌で"シベリヤ万歳"的な表現をする辺りで、スターリンのプロパガンダ臭がプンプン。
本作が日本公開されたのが、1948年11月26日。
まだシベリヤ抑留から帰国していない日本人が大勢、強制労働させられていた頃だからね。ちょっと微妙な感じ。