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デッドゾーンのがんちゃんのレビュー・感想・評価

デッドゾーン(1983年製作の映画)
3.5
Netflix配信ドラマ「ストレンジャー・シングス」に少し影響を与えている気がする、S・キング原作のクローネンバーグ監督作品。

平凡な教師のジョニーは交通事故により、触れた相手の過去または未来が見えてしまう透視能力を手にする。神はなぜこんな能力を自分に授けたのだろうか?

死んだ人間の遺体に触れた場合には過去のみが見えるので、例えば殺人事件の犯人逮捕に協力することができる。
とはいえこの能力が有名になってしまえば、平穏に暮らすことなど到底できない。

さらに問題は未来が見えたとき。
未来予知には全てを見通すことができない不確かな領域“デッドゾーン”があり、未来を変えられる可能性を見出したジョニー。
もしも触れた相手が後に大事件を引き起こすことになると知ってしまったら、あなたはどうする?

悲劇の主人公をクリストファー・ウォーケンが見事に演じています。5年の昏睡から目覚めるとフィアンセは他の男と結婚して子供もいて、幽霊のような青白い表情に、事故の後遺症で杖をついて歩くロングコートの長身男性。おまけに予知能力あり…はたから見たら完全に変人です。

そんな誰からも共感されない男がおのれの使命に従って一人孤独に行動する姿に、観客だけは感情移入できる。ちょっと『タクシードライバー』に近い。あっちは完全に誇大妄想ですが…。

超能力といえばクローネンバーグ監督の『スキャナーズ』も必見。
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