ToshiyaYokota

ハート・ロッカーのToshiyaYokotaのネタバレレビュー・内容・結末

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

○劇場公開時に観て以来、評価しがたい作品と避けていたが、改めて鑑賞。やはり解釈に幅が大きすぎて評価に困る作品ではある。

○「戦争はドラッグである」という冒頭の字幕から、主人公を戦争ばかり繰り返すアメリカに重ね合わせているのだろう。爆弾処理という死と隣り合わせな超危険任務というのも戦争をしているからこそ必要とされる役割である。このイラク戦争が「必要とされない」戦争だったのに対し、爆弾処理という仕事は「必要とされた」訳である。主人公ジェームズが家族のもとに帰っても戦争話は奥さんから聞き流されるところに、爆弾処理を包括する集合としてのイラク戦争の「必要とされない」世間、一般市民からの認識が示される。結局ジェームズは「必要とされない」戦争の「必要とされる」爆弾処理という業務に舞い戻ってしまう。まさに悲劇であり、こんな戦争はしていけないという啓示として受け取りたい。
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