健一

遥かなる山の呼び声の健一のレビュー・感想・評価

遥かなる山の呼び声(1980年製作の映画)
4.8
WOWOWで放送していたので録画して深夜に鑑賞。
『生誕90年 高倉健特集』より。

第4回日本アカデミー賞
主演男優賞(高倉 健)
主演女優賞(倍賞千恵子)
脚本賞、音楽賞 授賞。

いやぁ〜。素晴らしい作品でした。
チョットタイトルダサイケド。
健さん作品群の中では数少ない松竹と仕事をした作品。
しかも監督は 巨匠 山田洋次!
本作も同じくタッグを組んだ「幸福の黄色いハンカチ」に匹敵する名作でした。
東京柴又 から 北海道中標津へ。
口八丁手八丁のフーテン男 から 暗い過去を持つ口数少ない神僕男へ。 まさに
『シン・男はつらいよ 北海道より愛を込めて』です(笑)。

北海道 酪農の町。
民子 は幼いひとり息子と二人で亡き夫の残した牧場を切り盛りしていた。
ある日、雷雨の夜。一人の男が家を訪れ 民子は納屋を一夜貸すことに。
その晩 牛🐄のお産があり 男はそれを手伝うと翌朝去っていく。
数日後 男が再び訪れ牧場で働かせてくれと願い出る。
男は食事の時でも決して家に上がらない。過去を語るのも頑なに拒絶する。
男の正体が分からぬまま 共に働き日々は、季節は過ぎていく・・・

北海道の厳しい冬、緑一面の大地、殺風景な街並み、壮大な夕焼け。
四季の大自然を惜しげも無く随所に見せてくれ 圧巻!
その厳しい環境の中で粛々と生きている人たちを見事に描いていて そこはさすが山田洋次監督。
倍賞千恵子さんも『そんな細ッソイ身体でたった一人で牧場まかなえる?』と最初は不振に思ったが 一人息子のため 亡き夫の牧場を守るため、一人踏ん張っている 芯の強い女性を好演していて『さくらさん』とはまたひと味違う倍賞さんが堪能できる。

そして健さん!
もう こうゆう役やらせたら誰も敵わない!
過去は多くは語らない、礼儀正しく謙虚、仕事は黙々とこなし 民子の一人息子とも男同士の交流を深める。
もう 日本男児の見本! 男はこうでなくちゃ。
特に健さんと息子役の当時まだ幼い吉岡君が 枕を並べ寝そべりながら会話するシーン。
『男が生きていくには辛い事がいっぱいある。だから こんな事でへこたれるな。』と
少年に助言するシーンは自分も健さんに言われているようで 涙が溢れた😭。

特別出演でチョットだけ出てる渥美清さん。
そしてなんと ムツゴロウさん まで出てる!
しかも若い!(当たり前か。)

本作鑑賞される時には 前情報入れず頭真っさらの状態で見ることをオススメしたいです。
見る側の我々も民子と一緒に『この男 何者?』という気持ちを抱きながら鑑賞していただくとラストの感動も ひときわです。(大号泣😭)
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