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遥かなる山の呼び声のRyuのレビュー・感想・評価

遥かなる山の呼び声(1980年製作の映画)
3.8
北海道で亡夫が残した牧場で一人息子を育てながら酪農を営む風見民子。ある嵐の晩、一人の男が道に迷ったから一晩泊めてくれ とやってくる。翌朝去っていくが、しばらくして男はここで働かして欲しい と再び牧場を訪れる。

同監督・同主演キャストの「幸福の黄色いハンカチ」をまだ観てないもので、比較とかはできませんが、やっぱり山田洋次監督作品は観ててホントに心地が良いです。
何気ない日常を過ごす中で少しづつ構築されていく絆。高倉健も倍賞千恵子もどちらも働き者で控えめで関係が深まっていくのがスローペースでちょっとしたもどかしさみたいなものを感じるのですが、これがまた良き。こうして徐々に距離が縮まってきたところで、終盤に爆発!そして最後には切ない運命が・・・。
高倉健も倍賞千恵子もあんまり気持ちを出すキャラクターではないのですが、心情をのぞかせる表情での演技が素晴らしい。
相変わらずの健さんの寡黙で不器用だけど優しいキャラクターはかっこよかったです。時折見せる笑顔が、これまた良い。
倍賞千恵子も芯の強い立派な女性って感じでよかったです。ひたすら頑張る姿を見てると武田鉄矢演じるいとこと同じく「幸せになって欲しい」と思わせてくれます。
そして作品を包み込むような北海道のロケーション。四季を通して、自然の美しさだけでなく厳しさも見せてくれる圧巻の景色でした。
周りの人々も含め、溢れる優しさ・思いやりに北海道の寒さに負けないくらいあったかい気持ちにさせてくれる作品でした。
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