jokerの予習のために観賞。
ルパート・パプキンことロバート・デニーロの狂人演技がすごい。狂ってる様子をすこしも感じさせないけど、明らかに頭がおかしい。という演技がすごすぎる!
明確に「認知の歪み」をテーマにした作品だけれど、幻想と現実を互い違いに魅せる演出のおかけで観客はパプキンに共感する事ができる。
彼の幻想はとても平凡で誰もが一度は夢見る類のものだ。
けれど、その夢を叶えるためにする行為は常軌を逸している。
常軌を逸した狂人の話なんだなぁとついていけなくなったところで
「ドン底で終わるより一夜の王になりたい」
と言って、また一気に引き寄せられてしまう。
誰もが考えてしまう夢の世界を、夢の世界であるフィクションの中で描き、ラストには認知の歪みを社会が迎合してしまうかのような含蓄の効いたシークエンスまで出てくる。
虚実とは、エンタテインメントの世界とは、狂人とは、狂った世界とはなんなのかを問うような作品。