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ゴースト・ハンターズのRenのレビュー・感想・評価

ゴースト・ハンターズ(1986年製作の映画)
2.5
タイカ・ワイティティが『マイティ・ソー/バトルロイヤル』製作の際に参考にした作品の一つだと知り初鑑賞。構造的に確かに似通った部分はありました。所謂 “好きな人は好き“ な映画だと思う。

何と言っても今作の面白さは、主人公・ジャック(カート・ラッセル)がさして活躍しないところ。よく分からないまま事件に巻き込まれていき、流されるがままにストーリーが進んでいく感じは、『~ バトルロイヤル』のソーの立場に通ずる部分がある。ドゥニ・ヴィルヌーヴの『ボーダーライン』のよう、と言ってもいいかもしれない。
最終バトルで、あちらこちらでド派手なアクションが繰り広げられているのにジャックだけめちゃくちゃ地味な取っ組み合いしているのが面白い。とことん活躍しない。緊張の無い緊張と緩和。

物語的に特筆する点は以上で、あとは単純にアハハと笑って観れば良い映画。
ただ世界観の構築が良いので、どの時代にも一定数のファンが居そう。チャイナタウンを舞台にしたオリエンタルな雰囲気と香港アクション映画感。勘違いアジアンテイスト。カンフーアクション&モンスターパニック&ファンタジー&SFのジャンルちゃんぽん。
『遊星からの物体X』で披露したクリーチャー造形のセンスをひとたびおふざけにシフトさせると、こんな世界観が出来上がるんだという発見に満ちた映画だった。モンスターの絶妙なB級感は、邦題もパクったと思われる『ゴーストバスターズ』っぽさもあり、さらには『学校の怪談』らしさもあり。

to be continued....なオチまで、モンスター映画のあるあるを抑える徹底ぶりは結構好き。映画の歴史には、こういう馬鹿馬鹿しい作品も必要なのだなぁ。
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