shibamike

映画に愛をこめて アメリカの夜のshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

トリュフォー、映画撮影の裏側を映画にしちゃったよ!

冒頭、大勢の人が行き交うシーン。
犬を散歩する人、地下鉄の階段から駆け上がってくる人、道路を走る車。全て撮影用のセット内に用意したエキストラ。改めてそれを見せられると、映画って完全な人工物なんだなと再認識。心のどこかで映画にも多少リアルがあるのではと観ていた自分がこっ恥ずかしい。

映画全体は心にズシンと来る重厚な印象は受けませんでしたが、軽快なテンポで進む話は飽きることがありませんでした。

印象的な台詞はトリュフォーが言った
「映画監督とはあらゆる質問に答える仕事」、
「映画は現実と違い淀みなく進む。深夜急行のようなもの。」、
「君や僕のような人間は仕事(映画)に喜びを見出だすしかない。」
などが良かったです。

自分は映画を観ているとスクリーンの中の出来事と自分の日常を比べて、自分の日常は何てつまらないのだろう、と勝手によく落ち込みます😭
この映画で映画撮影の裏側を覗き見ることができ、スクリーンの中の人達が超人的なスーパーマン、スーパーウーマンというわけではなく、大きなトラブル、小さなトラブルを非常な頑張りで撮影チーム一丸となって乗り越えた結果、華々しい映画の世界が出来上がっていることがわかり、ぐうたらしている自分の日常がパッとしないのも当然だなと思いました。でも、羨ましい。

やっぱり、トリュフォーは信頼できる!
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