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ネバーランドのhirogonのレビュー・感想・評価

ネバーランド(2004年製作の映画)
3.9
ジェームス・バリによる名著「ピーター・パン」が書かれるまでの背景を描いた実話を基にしたお話。ただ、どの辺まで事実に基づいているのかは?

ジョニー・デップとケイト・ウィンスレットがいい!
ジョニー・デップは、「ピーター・パン」の原作者ジェームス・バリの品のある英国紳士の雰囲気をうまく演じていました。
ケイト・ウィンスレットは、夫亡き後4人の男の子を育てる健気な未亡人役が良く似合っていました。

ジェームスは先に書いた演劇脚本の出来が良くなく、次の脚本の構想を考えていた。
そんな時、シルヴィア・デイヴィス(ケイト・ウィンスレット)の家族に出会い、お互い惹かれあっていく。
ただ、既婚者のジェイムスが奥さんを放っておいて未亡人の家に入り浸る状態は、奥さんからすれば寂しくて当たり前。
夫婦関係が破綻しても文句は言えません。この辺の少し浮世離れした感じは、芸術家肌にありがちな性格?

シルヴィアには4人兄弟の男の子がいます。特に、ジェイムスは、父親が亡くなった後心を閉ざしがちな三男ピーターに惹かれるものを感じています。ジェイムスは、シルヴィアの家族に刺激されて、次作「ネバーランド」の構想を固めていきます。

ジェイムスと妻メアリーとの関係。ジェイムスとシルヴィア家族との関係。シルヴィア家族には祖母がいて、妻のいるジェイムスと付き合うことを快く思っていない。シルヴィアと息子4人との関係。色んな人間関係が複雑に絡み合います。
中でも、シルヴィアと息子たちの関係は、母の母性愛と息子達の母を思う愛が溢れていて、ウルッとしてしまいます。

ラストの「ネバーランド」公演の劇中劇を演じる役者さんも良かったです。
ジョニー・デップのシルヴィア家族を優しく見守る感じの演技も良かったなあ。
「ピーター・パン」が生まれた背景の知られざる逸話。是非ご覧になって下さい。
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