ninjiro

ザ・ロードのninjiroのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ロード(2009年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

もし俺が神だったなら…


抜け殻となった世界に文明の火は喪われ、
そこには神も希望もない。
全ては産み出す事を止め、日々荒廃は進む。
人々は心を喪い、いずれ全てを食い尽くすことを目的にするかの様にただ生きる。
木の根、土塊、食えぬものを食えぬと割り切れば、残るは「人」を肉として奪い合う道。

手の施しようのない世界に産まれた息子。
その息子を生かす為に連れて旅立つ父親。

彼らは心の中の火を運ぶ。

世界が崩壊する前、命を授かった瞬間、
父には父として当たり前に描いた夢があった。
描いた夢は叶うまい。
しかし、せめて生きて欲しい。
少しでも長く、そして出来ることならば、
常に己の心に誇りを持って欲しい、
「良い人間」になって欲しいと願う。

ただ生きること・生かす事にすら苦悩は付き纏う。
こんな世界に、神の去った地上に
天使は降りてはいけなかったのか?
毎夜悪夢の様に父を苛む理に、返す答えはない。
ただ、強くあろう。
まだ、柔らかな心を持つ最後の希望を、
弱さ故に狂気に走る様な者にはすまい。
どんなに辛かろうと、
どんなに悲しかろうと、
強い父親であろう。


どんなことがあってもいつも傍にいる。
パパの心はお前のもの。
いつでも、いつまでも、お前を護る。
ninjiro

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