リタ

疑惑のリタのネタバレレビュー・内容・結末

疑惑(1982年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

桃井かおり良いわ…

台詞回しは拙い部分もありつつ
我儘言ったり騒いで取り乱してるシーンは
プライベートかって思うくらい上手い笑
迫力が凄い。

保険入って!って凄むシーンはありゃ、
旦那さんそりゃ殺したくなるほど狼狽するわと。

旦那さんとのやり取りがどれもいい。
というか旦那さんがいい。

思い詰めたように結婚してくれ!と叫ぶシーンは
見ていて何故か涙が溢れてきた。
今も思い出して泣いてる。

金持ちの一人っ子で、気弱で思い詰めるタイプで。

実は無理心中だった、
ってことが腑に落ちるキャラクターだった。


クラブのママすごいウケた。
威圧感とてもつもないし口上手くて
桃井かおりすらタジタジ笑笑


塚本明の新聞記者が徹頭徹尾クソですごい。

警察も親族もマスコミも
証拠もないのに思い込みで桃井かおりを犯人扱い。

ヒモの鹿賀丈史もなんであんな大嘘ついたんだよ。
退場間際あれでいい事したつもりなんだろうから
ほんと理解出来ん人種だよな…

このあたりの出てくる人みんな
「こういう悪人いるよな」ってリアリティ感じた



岩下志麻、美しい。声も仕草も全部かっこいい。

ケネディのこと「ケネデー」って言ってて激シブい笑


中学生の男の子を騙すように法廷に連れ出して
詰問するだなんて
現代的感覚だと大変ショッキングだったが

正義を貫いて本当のことを話させるのが
岩下志麻の言うように彼のためだったのだろうよ

お前が殺したんだ!と叫ばせる羽目になったことが
すごく悲しかったけれど。



清楚なワンピースを着た新しい奥さん
会話からしてどうやら略奪のようだけど

こいつ、謝らないどころか
「これ以上私達を苦しめないで」とな?

腹立ち過ぎてその後の展開が汲み取れなかったな…

岩下志麻が何も言わずに帰ったのは
要求を呑んだということなんだろうか。

てことは、「自分の子供は持たないと決めた、
あの子は自分の子供と思って育てる」
その覚悟に託したということなんだろうか

ちょっと納得いかない…

初対面の女に自分の子供任せられるか?
モラルもない女に。信用なんてしないよ。

そこだけが腑に落ちない。

いくら自分を好きでなくても…
子供を幸せにしてやる自信もない程か?



桃井かおりと岩下志麻の
クラブでのラストのやり取りほんと面白かった。

「今回のことで自信持っちゃったもんね」
悪女極まる。清々しくて笑っちゃった。

真っ白なスーツが赤ワインで汚されたのに
毅然とした態度のまま帰っていく岩下志麻が、
なんというか、切なくて涙出た

あんたなんか大嫌い、で白い服を汚されるとか
私なら怒りと屈辱で泣いちゃうわ…

でもあんなクズに負けるわけないよね
表情崩さず余裕そうに捨て台詞を吐く。さすが。


ラスト、少し不安そうな顔になる桃井かおりにも
なんとも言えない、寂しさがある。
でもすぐニヤついて、安心した。

やはり彼女は殆ど邪悪だ。

ゾクゾクする映画だった。最高だった。



こういう傑作映画、日本だって撮れるんだよ。

お金を出す人たち含めて、
みんなが映画づくりに愛を持つべきなのに。

アカデミー作品賞をパラサイトがとって嬉しい。
でも私日本人だし、
邦画にだっていつかとって欲しい。


取り敢えず私みたいな
見るだけしかしないモブたちは、笑
避けずに新しい邦画をもっと見なきゃなって思う。

良い映画が生まれるためには、
まず見る側が見つけなきゃならないのだし。


邦画を信じて誇りを取り戻したいね。
ダメダメ言ってるだけじゃダメだよねぇ…

ポン・ジュノ監督が日本映画に敬意を評してくれたのに
そもそも日本人が良い邦画を忘れて
見る目を鍛えないでいるようじゃダメだよねぇ。。
リタ

リタ