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桃色の店/街角 桃色の店のSariのレビュー・感想・評価

桃色の店/街角 桃色の店(1940年製作の映画)
4.0
ハリウッドNo.1コメディ監督エルンスト・ルビッチの絶頂期の作品の一つ。

ハンガリーの首都ブタペストの街角に、中流の客を相手の雑貨店がある。
主人のマトチェックは35年間この商売をして、かなりの財産を蓄えたが子供がなく家庭はさびしかった。
それだけに商売は熱心で店員も六人いる。
若いクラリックは9年前に丁稚にきて今は一番の古顔で販売主任であった。

◾️
ハリウッド No.1のコメディ監のルビッチの絶頂期の作品の1つであり、個人的なクリスマスムービーNo.1。

今作の舞台となる雑貨店の人間模様が素晴らしい。

主人公は、雑貨店員であるジェームズ・スチュワートとマーガレット・サラヴァンで、その2人の恋物語が中心なのですが、主人のマトチェック(フランク・モーガン)とジェームズ・スチュワートとの軋轢や和解、小心者でうだつのあがらない店員のフェリックス・ブレサード(ルビッチ作品の常連)などが、脇に配されており、短かいフィルムながら、多くの人間関係が手際よく描きわけられている。

特にホロリとするのは、主人のマトチェックが、ジェームズ・スチュワートに主人を譲り、クリスマスイブの夜、ジェームズ・スチュワートの元で店が繁盛しているのを、外から見守り、最後に各人にボーナスを配るところ。こうしたシーンを見ると、映画とは言葉ではなく、アクションなのだとしみじみ感じマトチェックの声もしゃがれ声のため、なんとも言えない味わいがある。

店が繁盛して何よりのマチェックだが、妻との結婚生活が破綻したクリスマスイブに、家で食事することも、かと言って1人でレストランへ行く気にもならない。そんなマトチェックが、傷心のクリスマスイブに一人で食事をしなくて済んだ僥倖を、ルディという貧しい少年に心から表現する際に、メニューを列挙するところが素晴らしい。

2023/12/25 U-NEXT
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