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テルマ&ルイーズのnt708のネタバレレビュー・内容・結末

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

うーん、、あの状況であの決断をしたということは彼女たちにとっては永遠の友情を手にしたという意味でハッピーエンドなのかもしれないが、彼女たちにそのような決断をさせた状況を鑑みるとやはり本作は悲劇であるように思う。

このような女性の悲劇に執着するのはリドリー・スコットのひとつの特徴だろう。彼の作品に対してどこか違和感を持つのは、女性を悲劇のヒロインとして、男性を悲劇をもたらした悪人として仕立て上げてしまうことが原因かもしれない。作品の裏に隠されるべき監督自身の主張が露骨に現れ、そのうえ主張に至るまでの議論を成熟しているように感じられないのだから、違和感を持っても仕方がないのである。

本作のようにジェンダーを扱った映画(もちろんそれだけの映画ではないが)は、やはりどのように観たらよいのか、どのように評価したらよいのかがさっぱりわからなくなる。私はあくまで男性だし、どれだけ女性のことを理解しようとしても理解しきれない部分があるし、男性だからと云って男性の総てを理解しているわけでもない。だからこそ、何が正しくて、何が正しくないのかがわからなくなる。あるいは、そう思わせることが本作の狙いなのだとしたら、私はその術中にまんまとはまったわけである。映画の面白さと同時に難しさを感じる今日この頃、、
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