「靖国神社に行ったら、英霊が救われると思っているのか？貴様！」
gyaoで視聴。
原一男監督による、奥崎謙三を追ったドキュメンタリー映画。
奥崎謙三…不動産業者を殺し懲役10年、さらには昭和天皇の顔を乗せたポルノビラを配り指名手配、果てには昭和天皇にパチンコを撃つという愚行を行い、懲役1年6か月も喰らったアナーキスト。自分の正義感に従い、ニューギニアで二人の兵士の処刑に関与したウェワク残留隊の上官たちの家に土足で上がり、態度が悪い輩には鉄拳制裁をして事件の真相を突き止める。
今や「伝説」ともいえるドキュメンタリー映画を配信してくれるgyaoに感謝。
日本映画史上に残る「奇人」奥崎謙三のドキュメント。
こんな濃い人をキャメラに収めるという苦労は並大抵ではなかったと思われる。奥崎がもし今いたら、絶対に人気youtuberになっていたはず。それくらいこの人の「曲げない」精神性と行動力は凄い。
wikiみたら奥崎は大戦中、ニューギニア戦線にいて、ジャングルの極限状態のなかで生き残ったのは、同部隊1300名のうちわずか100名、というのを経験したらしい。
この極限的「理不尽」が奥崎の人生を決定づけたのだと思うと、戦争という現実にやりきれない思いがする。悪趣味系の根本敬が奥崎を主役に「神様の愛い奴」という映画にした（要は奥崎を「いじって遊んだ」）が、正直根が深い問題だと思った。
あと、一番不可解なのは「奥崎の妻」。何故こんな苛烈な人と結婚してそれでいて妻であるのか（苦笑）
