えるる

マンデラの名もなき看守のえるるのネタバレレビュー・内容・結末

マンデラの名もなき看守(2007年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

人種差別、アパルトヘイトに反対している勢力の首謀者として牢獄生活をしている元弁護士のマンデラと看守の話。

この看守が赴任されるまで誰も人種差別についてなんとも思わない世界。街でも黒人は証明書の提示が必要だったり、白人から暴行をうけたり女達は黒人を小馬鹿にしている。作中で子供が奥さんになんであんな酷いことするの?と聞くと「神様の意思よ。燕と雀は違うの、ガチョウとアヒルもそれが自然だし逆らえない」という。
それが普通で当たり前の世界で生きていると、自分もなんとも思わなくなるのか?それとも抵抗感を感じるのか?
少なくともあの娘さんは抵抗感を感じたし看守の様に自ら調べて彼らの事を知ろうとするだろうか?って自問する。今だからこそ、人種差別は良くないって思ってるけど、親や周りの人から赤信号は渡ってはいけませんと同じ様に教えられてたらと思うと自分もそうなっていたかもと怖い。
この映画の子供達はあまり差別意識はない様だけど、奥さんが凄い。

いろいろと黒人がひどい事をされたり、黒人を庇う看守だと非難を受けたり、国の権力で黒人が殺されたり、家族が死んだりする。
最後に移った刑務所がマジで凄い。堀とかない。山と畑。マンデラには一軒家。こん中でゆるく過ごしてね。家族呼んでいいよ。でかけていいよ。って自由過ぎる。何あの刑務所。すげーよ。

もう少し、マンデラの秘密の新聞の内容とか、27年間の監獄生活で世の中の意識が変わっていく様を入れて欲しかった。
マンデラ釈放間近で奥さん変わりすぎ、あまりに2人に焦点を当て過ぎて、なんでそうなった?って事が結構ある。

まだまだ色々な差別がある中、差別という問題について考えるにはなかなかよかったです。
えるる

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