恭介

サインの恭介のレビュー・感想・評価

サイン(2002年製作の映画)
3.7
シャラマンと言えば・・

ラストのどんでん返しっ。

ってイメージが、特大ヒットとなったシックスセンスと長い年月を経てまさかのシリーズ物として復活したアンブレイカブルの
二本で固定観念として定着してしまった。

まぁ配給会社も宣伝として、そっちに
シフトしてたから仕方ないっちゃ仕方ないんだけど。

その二本の後に発表された
メジャー作品第三弾のこのサイン。

サスペンスタッチでラストにまた、予想を覆す何かが・・なんて想像してしまうのは
仕方ない。

だけどっ!
間違っちゃいけない。本作は異色の
ハートフルコメディなのだっ
(あくまでも個人的な感想笑)

狙ってるとしか思えない、突っ込みどころ満載な設定で、それを大真面目にメルとホアキンに演技させてるトコなんか、シャラマンの確信犯的な演出としか思えない。

いや、褒めてます。シャラマン作品の中では本作が一番、ツボだったりします。
因みに公開時、総スカンを食らって監督業の転機となった、レディ・イン・ザ・ウォーターも好きだったりする(笑)

毎度毎度のシャラマン監督のカメオ出演だけど、本作ではガッツリ、ストーリーに絡む重要な役どころで、これまた突っ込んで欲しいのかなぁー、なんて勘繰ってしまう。役はかなりシリアスなんだけど。

あと、ゾンビランドのアビゲイルちゃんの
芸達者ぶりが観れるのも嬉しい。

本作がコメディと言っても決して軽いノリの分かりやすいコメディではない。

基本ラインはSF的なシリアス路線であり、そこに人が経験する事は全て必然なのか偶然なのか?からの、神の力によって運命は
すでに定まっているのか?みたいな宗教的な味付けもなされている。

なるほど、元牧師という役は敬虔なカトリック信者であるメルにはうってつけの役どころだ。

こう言うと、とても異星人が出てきて
ホアキンと格闘する映画には思えない(笑)初鑑賞した時も、後半、本当に
異星人が姿を現したのには、ビックリと
同時に笑けてきた記憶がある。

と言っても設定では世界規模な話なんだ
けど、描かれるのはコーン畑が広がる田舎の一軒家での限定的な出来事。

だからやっぱり、必然か偶然か?神は・・を語りたいが為に、UFOや異星人を
ぶっ込んできたに違いない。

これがテロリストや殺人鬼なんかに
しちゃうと、シリアスになり過ぎて
説教くさい映画になってしまう。

だからやっぱりSFハートフルコメディ
の体裁を取って、宗教臭にオブラートを
掛けてたんだろう。

怪我の功名か、そんなアンバランスな
魅力を放っている怪作、という評価でも
本国で大ヒット。

シャラマン恐るべしっ。で、次のヴィレッジまでは良かった。

しかしその次のレディ・イン・ザ・ウォーターで大失速。
いや、好きなんだけどなぁー(笑)
久しぶりに観たくなってきた。

一時期、誰もがビックリするぐらい
作風が180度変わったエアベンダーや
ウィル・スミス親子のプロモーション
映画のようなアフターアースなんて
作品で、評判ガタ落ちになったけど

スプリットでまさかの復活を
遂げたシャラマン監督。

最近のオールドでも胡散臭さが健在。
なんだかんだで息の長い不思議な
監督さんだなー(笑)
恭介

恭介