GaPTooth

ニッケルオデオンのGaPToothのネタバレレビュー・内容・結末

ニッケルオデオン(1976年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

原題:NICELODEON

1910年。エディスン社を初めとする初期からの大手映画会社10社は、特許会社を設立。特許会社に加盟している会社以外は権利金を払わなければ、映画の撮影も配給も公開もできないと勝手に取り決め弱小映画会社を潰しにかかっていた。
そんな特許会社の目をかいくぐって映画を撮影する弱小映画会社キネグラフ社に集まった面々が「映画」に惹かれ没頭していく様子をスラップスティックあり、ドラマティックあり、ラブコメありで描かれている。
そんな無声映画黎明期からハリウッドの誕生、そしてD.W.グリフィスの「クランズマン=国民の創生」が誕生し無声映画が全盛を迎えるまでの話。

タイトルは黒地に白。字体もピアノ伴奏にのせて説明が出るのも無声映画のよう。
字幕を入れたり、アイリスを多用しているのも無声映画スタイル。

面白く楽しかった(*’ω’ノノ゙☆パチパチ
【幾つか気づいたこと】
弁護士として登場したライアン・オニールの風貌はハロルド・ロイドのよう。
ブライアン・キースが帽子を次々と取り替えるのはバスター・キートンのギャグ。
キャスリーンという名前は「リオ・グランデの砦(監督:ジョン・フォード)」のヒロインと同じ名前。
ライアン・オニールがカメラマンから撮影の仕方を教わる時に何故か「黄色いリボン(監督:ジョン・フォード)」のメロディが。
ジェーンを囲んだ撮影隊が「アイル・テイク・ユー・ホーム・アゲイン・キャスリーン」を合唱するシーンは、「リオ・グランデの砦(監督:ジョン・フォード)」でモーリン・オハラとジョン・ウェインが食事するシーンで流れてた曲。騎兵隊。
ライアン・オニールとバート・レイノルズが殴り合うシーンは「静かなる男(監督:ジョン・フォード)」のジョン・ウェインとヴィクター・マクラグレンみたい。藁の中に埋まった時に「藁の中の七面鳥」が(ハーモニカ)流れる。
撮影隊のトビー役でハリー・ケリー・Jr.が出とる。
テックス・リッターの息子ジョンが撮影隊のカメラマンのフランク・フランク役で出とる。
無声映画だから、隣り合ったセットで何本もの撮影が出来てたんだな。
ニッケルオデオンは小劇場のハコよりまだ小さい。100人入るくらいか。木の椅子が並べられてた。
ニッケルオデオンから出たバート・レイノルズやキャスリーンが"追っかけ"に身ぐるみはがれとる。ファン心理か。
「クランズマン=国民の創生」のプレミア試写会は大盛況。"新しい映画の時代"の始まりを決定づけた感じ。
音楽が良い。全編を通してピアノ→ハーモニカ→ヴァイオリン→オーケストラと盛り上がっていく。曲は「ブルーベリー・フィル」「黄色いリボン」「おおスザンナ」「恋人と呼ばせて」「ビューティフル・ドリーマー」「アバダバ・ハネムーン」「ワルキューレの騎行」「エリーゼのために」「トルコ行進曲」等々。またフランスの話をしとる時に「フランスの国歌」が、汽車を追いかける時に「線路は続くよどこまでも」が(ハーモニカ)👍
結局、ピーター・ボグダノヴィッチは映画を愛し、ジョン・フォードを敬愛してたんだな。

バート・レイノルズは格好良い。
やっぱりスタントマンはハル・ニーダム。
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