ブタブタ

ダークシティのブタブタのレビュー・感想・評価

ダークシティ(1998年製作の映画)
4.8
記憶喪失の主人公ジョン(ルーファス・シーウェル)の目覚め、そして奇怪な事件に始まりやがて世界の根幹に関わる謎に迫っていくと言うストーリーは『ドグラ・マグラ』や打ち切りに終わったドラマ版『ザ・ミスト』もそうですね。
カルト中のカルト作品。
ダークでゴシックな「都市」のデザインと『マトリックス』や『インセプション』に影響を与えてるのは有名ですが、後半の展開等は『うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー』みたいです。
連続殺人事件のミステリーに始まり侵略SFそして世界を救う救世主の物語へ。
リンチ版『DUNE』では救世主として覚醒したポウルによって砂の惑星に雨が降りますが、こちらでは覚醒したジョンによって闇の都市に太陽がもたらされる。
『カリガリ博士』のドイツ表現主義の流れのゴシックな都市と吸血鬼ノスフェラトゥみたいな異邦人(ストレンジャー)たち等々、美術も素晴らしく現実と幻想が交錯する世界、PKディック的SFノワール。
最近では古野まほろ作『天帝』シリーズもミステリーに始まり最後は世界支配を巡る異能バトルに突入する話し何ですが、兎に角もう好きな物だらけの大好きな映画。
アレックス・プロヤス監督は『クロウ』『ダークシティ』この2作でホドロフスキーと並ぶカルト映画界の巨匠(?)だと勝手に思ってますが、近作は『iRobot』『キング・オブ・エジプト』などメジャー作品が続いてますがまた、こういう作品を撮って欲しいです。
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