ゆいこ

女の座のゆいこのレビュー・感想・評価

女の座(1962年製作の映画)
4.1
またまた成瀬巳喜男監督作品。
これもかなり面白かった。
高峰秀子は、ひょんな事からエッセイ(「コットンが好き」「にんげん住所録」「いいもの見つけた」...)を読み始めて何だかいいなぁとファンになったけれど、実は出演作品を観るのは今回が初めて。
憧れの人にやっと対面するような、少しドキドキするような気持ちだった。
女だらけの家族とあって、結婚や恋愛にまつわる話題に事欠かないが、終盤に迫る悲劇で一気に生活というものに緊迫感が訪れる。
オールスターといいたいくらいに有名どころが集った本作。
笠智衆のおとぼけな雰囲気は相変わらず癒されたし、その妻役の杉村春子の親としての複雑な心情には切ない思いだった。
そして高峰秀子、彼女の存在感は慎ましやかでいながら圧倒的。
言葉数が決して多い訳では無いのに、彼女の仕草、ひと言ひと言に度々泣かされてしまった。
未視聴の作品が沢山あると思うと、たまらなく幸せだ。
ゆいこ

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