砂場

妖星ゴラスの砂場のレビュー・感想・評価

妖星ゴラス(1962年製作の映画)
4.2
水没した東京、復興への希望
まずはあらすじから

ーーーあらすじーーー
■オープンカーの若い女性二人、智子(白川由美)と滝子(水野久美)は車で水着に着替えをしようとしているとロケットの轟音、隼号だ。
■1979年、JX-1隼号は土星探査に向かっていたが、質量が地球の6000倍という黒色矮星ゴラスが観測され最も近い位置にいた隼が急遽ゴラス探査の任務に着く。
しかしゴラスの強力な引力によって脱出不可能となり園田艇長以下は最後までゴラスのデータを送信続けたが隼号は爆発し全員殉職。
滝子の恋人も乗船していた。
■データ解析の結果、ゴラスはこのままでは地球に激突することがわかった。
日本宇宙物理学会の田沢博士(池部良)と河野博士(上原謙)は事態を打開する作戦を練るが妙案はない。
■JX-2鳳号の乗組員は、ゴラスを爆破すると意気込んでいた。🎵おいら宇宙のパイロット🎵しかし予算が付かず足止め。
■園田艇長の息子がゴラスを爆破するか地球が逃げるかどっちかだと言った言葉にヒントを得て田沢博士と河野博士は
国連科学会議で地球移動計画を提案する。南極に巨大なロケット推進装置を設置、水素エネルギーによって地球の軌道を動かすのだ。水素技術を持つ米ソ、日本が連携した。
■金井は滝子が好きだった、風呂上がりのところに押しかけ無理矢理プレゼントを渡すが滝子は死んだ恋人を忘れられなかった。
■地球移動作戦と同時並行で爆破作戦も進んでいた。JX-2鳳号は国連の要請でゴラスに接近、爆破に向かう。
探査船のカプセル1で金井(久保明)はゴラスに接近するが光を浴びたショックで記憶喪失になる。巨大すぎて爆破は不可能と判断、鳳は地球に帰還する。
■南極のロケットは稼働しているが、ゴラスは土星の環を吸収しさらに質量は巨大化、また南極怪獣マグマが眠りより覚めてロケットを破壊、推進力が減少する。
金井はゴラスの映像を見て記憶を取り戻した、滝子はほっとする。
このままゴラスに衝突するか、、軌道変更が遅れたため地球では大津波などの異常気象が。
しかし間一髪ゴラスは軌道をそれ地球衝突は回避された。
東京は水没したが人々は復興を誓うのであった
ーーーあらすじおわりーーー

🎥🎥🎥
⭐️相当荒唐無稽であるが、本多猪四郎が楽しんで作っていることがわかる。本筋には関係ないけども白川由美と水野久美はオープンカーで水着に着替えちゃえとキャッキャするという衝撃のオープニングもそうだし、水野久美の入浴シーンもわざわざ入れてくれている。
これには世界の水野久美ファンも💕
大森一樹も大好き水野久美は本当にキュート💕
鳳号乗組員の🎵おいら宇宙のパイロット🎵というのも突然のミュージカル調になったりして笑える

⭐️さて、本筋についてですが
ゴランが地球に激突するというストーリーはのちの『アルマゲドン』や『ドント・ルック・アップ』につながるようなSFパニックの鉄板ネタだ。
探査船が流線型のロケットで美しくもかっこいい!
最近のSFだとごっつい宇宙船が多くて、流線型のロケットが新鮮。ミニチュア特撮は素朴であるが南極の基地の内部とかそれっぽい感じにできている。謎の怪獣マグマも、蛇足感に溢れているがwwまあご愛嬌

⭐️本作の設定で面白いのが妖星ゴラン衝突を回避するために地球の方を動かすという発想。
これも散々トンデモ発想と揶揄されるんだけどもいいじゃないですか!
敵が攻めて来たら迎撃するんじゃなくてこっちが身をかわすという発想は、無益な戦争は嫌だという本多猪四郎の感性によるものか。
ゴランは悪気はなく地球衝突コースに乗っちゃったわけで、別に侵略者では無いのでこっちが身をかわせば素通りして去ってゆく。お互いにとってハッピーな解決策なのだ

⭐️水没した東京、しかし人々は復興を力強く誓うのだった❗️
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