いの

アレックスのいののネタバレレビュー・内容・結末

アレックス(2002年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ギャスパー・ノエ③(鑑賞するの3作品目)


これは、劇場鑑賞はアタシには無理だ(ということがわかった)。大きなスクリーンでは、ぐるぐる回るカメラ(序盤だったかな?)に酔ってしまって具合が悪くなること必定だし、そこをなんとか耐えたとしても、地下道の場面を直視することはできなかったと思う。「映画を鑑賞する」という言葉は今作には当てはまらない。赤い地下道。惨すぎるシーン。抵抗しながらモニカ・ベルッチが必死で伸ばした左手を、わたしは掴むことができない。あの場面、あの男の顔面に消火器かなにかをぶっ叩いてぶっ殺したい気持ちにかられる。けど、画面に向かってそれを行うこともできない。傍観者でいることもまた加害なのだと思い知らされる。エンドクレジットがオープニング。時間は逆行する。カメラが上を向くと、時間が戻る。それがわたしには良かった。モニカ・ベルッチとヴァンサンの幸せそうな時間を、あの惨い場面のあとで観た方がずっといい。終始一貫して、今作のヴァンサンは最上級にカッセルしてました。
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