突然、原因不明の病気に罹り生活が一変してしまった主婦の悲劇。しかしどの医者も口を揃えて身体は健康そのものだと言う。現代の医学では解明できない何かは、医者の診断とは真逆に勢いを増すように身体を蝕んでいく。止まらない咳と発作を見るとこの時点で既に嫌だけどこれだけではなく宗教的な怖さも描いている。この映画では感染症ではないが、新しい病があらゆる人に罹るというのはまさにこのご時世他人事ではなく危機感を強めなくてはならないし、その一方でコロナはただの風邪という輩がいるように宗教的なマインドコントロールが蔓延ったりと、病気による世間の反応はさまざまな側面を見せる。人間と病気との共存、そんな状況下でもポジティブな自分を見出すというメッセージも秘められているようだった。
