Baad

ラ・ワンのBaadのレビュー・感想・評価

ラ・ワン(2011年製作の映画)
4.2
特に期待もせずに、GyaOの無料配信・吹き替え版で見ましたが、これがなかなか良かったです。

まず、吹き替えの翻訳が自然でいい。ミュージカルシーンだけオリジナル音声に字幕なのですが、その部分に集中して見ることが出来ました。

動画配信でミュージカルシーンにやり過ぎ感があって映画自体にはあまり期待していなかったのですが、映画にはめ込むと登場人物の内面を緻密に映し出すような構成になっていて見応えがあります。音も実に繊細に選んでいることがわかり、感動もの。ここ2年間に劇場公開されたインド映画の中ではミュージカルシーンの使い方が一番洗練されていたのではないかと思います。

お話自体は、製作費大枚はたいて作り込んでいる割にはいつものシャー・ルク・カーンの映画のワンパターンを見事に踏襲していて、勧善懲悪・家族の絆第一だったりするので、既視感が半端ないのですが、それでも題材の扱いが手作り感に満ちていて洗練されていたので楽しく見られました。

ただ、子供映画と下ネタの混ぜ方かたとか、南インドネタの扱いなどが結構無邪気に劇薬すれすれなので、これ本国ではどの層を狙ったのかな、というのが気になりました。
小学校高学年から中学生ぐらいの親子向けで、ゲームと音楽も込みのお商売?と思いましたが、作中のゲームの内容の設定がトンでもなので逆に好奇心でゲームアプリ欲しくなってしまいました。

G.-Oneも妙にインド哲学ネタで攻めてきますしね。<生きている時がすべて、でも、生命は転生する>という世界観はこういうトンデモSFとはとっても相性がよく、ツッコミどころ多々あれど、これでいいかな、という気分になってしまいました。

インド映画にはめずらしくジャニーズ顔のいかにもいいうちのお坊ちゃん風外見の息子のプラティーク君、ほかの映画でもそうだったけど、ボリウッドのお子様の主人公たちは、良くも悪くも大事に上手に甘やかされていますね。

南インドネタの混ぜ方は字幕で見ないとわからないと思うので、DVDなど見たらまたコメント付け足します。

(ミュージカルシーンが出色 2013/8/10記)
Baad

Baad